市概要

Shankharapur概要

1 立地

(1)Nepal国

(2)Kathmandu区

Kathmandu区 右端がShankharapur市

Sapporo圏との比較(上図と同縮尺)

(3)行政区・Word(上段:No. 下段:面積km²) 全体:60.22 km²

16.08.210.24.311.02.21.64.12.8

Google Maps

右上の「拡大地図を表示」アイコンをクリックすると別タブで大きく表示されます。州境界 オレンジ、行政区境界 赤、カトマンズ区内境界 緑、Sankharapur word境界 赤表示となっています。

2 人口

(1)人口推移

2021年  29,318人    Population Density  486.8人/km²

1.3% Annual Population Change [2011 → 2021]

1991200120112021
人口22,21524,26025,55829,318

(2)旧村開発委員会(2014年12月2日に合併)

旧村開発委員会人口・1991人口・2001世帯・1991世帯・2011
Indrayani2,6353,361467717
Bajrayogini3,7934,333632328
Pukhulachhi2,760430
Suntol3,980684
Lapsiphedi5,040919
Naglebhare4,007724
合計22,21524,260

(3)周辺人口

NEPALBagmatiKathmandu(Bhaktapur)(Lalitpur)
29,164,5786,116,8662,041,587432,132551,667

(2)Shankharapur 人口構成

3 地質

 Shankharapurは、ヒマラヤ主山脈の南側50kmに位置する。

 数百万年前、カトマンズ盆地は湖であり、Sankhuは湖の北東端となる。よって、平地部は湖成相(カリマティ粘土)の上に、湖消失(断層活動)後の河成デルタ相が堆積している。これらの堆積物の基盤と山地部には、堆積岩類、変成岩、花崗岩が分布しており、一部は地表面に露出している。花崗岩では深層風化による(人為的な)崩壊地形が認められる。

 Sankhu市街地部は河岸段丘状であるが、北部山地の花崗岩の山体崩壊による地形の可能性も考えられる。平地部の山際や上流側は花崗岩由来の砂分が多い。Monohara Riv.も南丘陵にはローム層が認められたが、由来は不明である。

4 地形

 市中央域の南北にEL.1,900m前後の丘陵地帯があり、東面はIndrawati Riv.流域、西面はKathmandu盆地流域の分水嶺となっている。丘陵からは支尾根と小河川が派生している。

 西面には主要河川となるMonohara Riv.が流下し、平坦部でNagarkotからの河川と合流してKathmandu盆地へと流下している。

 平坦部はEL.1,350m付近のSankhuエリア(Word6、7)に限られ、その他は山間傾斜地となっている。

図 Shankharapur周辺の等高線(50m間隔)

5 植生

 現況のまとまった森林区域は保護林となっており、開発行為は規制されている。その他の森林は急傾斜により耕地化を免れた区域である。山間傾斜地の畑は段々畑や傾斜畑が認められる。

6 気候・気象

 温帯に属する(札幌・冷帯との比較)

(1)月別最高・最低気温

紫線:Kathmandu(EL 1,300m)、緑線:札幌

  Kathmandu中心部とSankhuの標高はほぼ同じ


(2)月別降水量

(3)積算温度

7 社会資本の整備状況

(1)道路

 市域内の拠点集落を結ぶ道路(片側1車線)は概ね舗装されている。

 山間部の集落を結ぶ道路は基盤を掘削して付けられているが、雨水の流下により損傷、崩壊が多い。

(2)交通

 SankhuバスセンターとKatumandu市内にはバス便がある。

 個人の移動にはバイクが多く、タクシー、バイクタクシーも利用可能である。

 SankhuーKathmandu(NAC Bus Stop)    25km    60分

 SankhuーAP                       22km、60分

 Sankhuーバクタプル旧市街         12km  35分

 Sankhuーナガルコート           11km.     30分

(3)電力

 220V、50Hz、平地のみならず山地まで道路沿いに送電線が整備されている。市域内には発電施設は無い。Sankhuでは南のバクタプール区域が送電されていても、系統の違いにより停電することが多い。

 NEPAL国は、電力を雨季はインドへ売電しているが、雨季以外はインドから購入している。中国資本による整備が進んでいる。

 (4)水道

 Sakhuには公的水道(組合組織)が整備されている。水道水源は保護林?として保全されており、唯一仏教寺院が立地している。乾季は水量が減り断水がある。給水管が細いことと断水があるため、各家庭では屋上などに給水タンクを設置している。

 水源地は緩速濾過施設のため、生水の飲用はできない。商店ではペットボトルの水を販売している。

(5)下水道

 Sankhu市街地内は下水道も整備されている。下水路網、終末処理場は未調査

(6)通信

 全域でWifiが使用可能であるが、家庭内のWifiは停電時に使えなくなる。

(7)学校

 国公立、私立の小規模校が多いが、子供の減少により閉鎖校もある。英語教育が盛んなため若年層はほぼ英語で会話可能である。卒業後の就職は厳しく、海外への就労も多い。

(8)宗教

 ヒンズー教、チベッタン仏教、キリスト教の施設が多数存在する。

 Bajrayogini寺、Salinady寺はインドを含めた信者から神聖視されており、隣接するBhaktapur市のChangu Narayan寺とともに重要視されており、海外からの信者、資金流入がある。

 ネワール文化、ヒンディ文化を背景とした宗教的行事が多い。

(9)農業用水

 Sankhuには古くから用水路が整備され、生活用水と農業用水として利用されてきたが、水道整備により生活用水としての利用が無くなり、施設の維持管理がなされていない。(農家による個別管理)

 水田用水が確保可能な場所では、水稲ー夏馬鈴薯ー冬馬鈴薯、馬鈴薯にも畝間かんがいを実施する。用水が確保できない土地はトマトハウスへの転換、麦作となる。

 山間部では小規模の灌漑施設が整備されつつある。

(10)工業

 製材所、合板工場、コンクリートブロック工場、砂販売

(11)商業

 旧市街地内に商店が集積しており、周辺地域に商圏を形成している。日常品以外の買い物はKathmandu市となることが多い。個人以外の農産物を販売する市は無い。

 自給的農家を対象とした種子、肥料、農薬販売店では、作物指導も行なっている。

(12)観光

 ガイドブックにSankhuは掲載されていないので、観光地とはなっていない。2015年の地震により旧市街の歴史的な建造物は崩壊し、現在も住居の再築が行われている。KathmanduやBhaktapurにある大きな建造物は無いが、日常的な宗教観を支える宗教行事、宗教施設(寺院等)は受け継がれており、生活文化とともに観光資源となる可能性がある。

 地元を対象とした食堂、茶屋が点在するが、旅行者を対象とする宿泊施設は一軒しか無い。Katumandu市域を対象としたリゾートと呼ばれる宿泊、飲食施設が点在する。

 隣接するNagarkotは、Katumanduからのヒマラヤ天望の観光地となっており、宿泊施設も多い。